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煤竹を未来へ  

​長い年月を経て煤の浸透した煤竹。

硬く引き締まった材質、経年による乾燥・変化と安定、蒔絵に負けない重厚感。

そして実際に何百年にも亘って使われてきた実績。

笙という楽器に適したその特性と経過した年月の意味。

歴史が作り出した煤竹には何物にも代えがたい価値があります。

しかしながら茅葺き屋根の民家で100年もの時を経た煤竹は、今後間違いなく無くなります。

また現時点でも、笙に適した太さと材質と節の煤竹を揃えることは困難を極めます。

煤竹が全く無い、とまではいかないのですが、材質の良いものを揃えられないのです。

そもそも白竹でさえ笙の求める太さと材質を備えたものはほんのごくわずかです。

これだけ細くて硬い真竹は、竹林の中でもほとんど見つかりません。

煤竹として将来活用することを前提としていない、民家での偶然の産物となればなおさらです。

笙の竹は、その目的で集めなければ実はほとんど存在しないものなのです。

​この素晴らしい素材を未来に伝えていきたい。

そのためには煤をかけながら竹を何十年と管理しながら保管していく。

自分達ではなく次の世代のために。

気の遠くなるような話ですが、一度そのサイクルが出来上がってしまえば煤竹が絶滅することは無くなります。

これはなにも笙に限ったことではありません。

ですが良質な煤竹の調達が最も困難なのはおそらく笙でしょう。

鳳翔堂では2010年からすでにこの取り組みを始めています。

自然環境のもとでは10年程度の経過ではまだまだ不十分ですが、ようやく竹に少し色が入り始めました。

またご縁のあったところから譲り受けた20年~30年物の煤竹も、当工房でさらに年期を重ねています。

 

経年乾燥とともに、煤がゆっくりと入っていく。

短期間で負荷をかけて変質させるのではなく、時間をかけて自然に材質の変化が起きる。

これは何百年もの寿命を持つ楽器の材料として考えたときに、最善のことなのではないでしょうか。

改めて歳月の価値を感じます。

今後はときどき途中経過としてこの短期の煤竹で笙を製作して参ります。

(茅葺き屋根の本煤竹と区別するため、ここでは半煤竹と呼ぶことにします)

そして売り上げの一部を、この事業継続のための経費に充てさせていただきます。

将来に十分な量の煤竹を残すためには、今、たくさんの竹を集めなければなりません。

また竹は虫やカビがつきやすいため、保管にあたっては適切な管理を常に続ける必要があります。

皆様のお力添えをお願い申し上げます。

​50年後、100年後には煤竹に困ることのない日が来ることを目指して。

笙を演奏する皆様の力で、大切な文化を守って参りましょう。

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